Column

Bye Bye Plastic Bags

バリ島は言わずと知れた世界を代表するサーフパラダイスだ。

日本のサーファーのトリップ先として最も人気があるのは紛れもなくこの島だ。その証拠にサーフィンを扱う旅行会社における販売実績はバリ島がダントツでトップとなっている。

人気の要因はいろいろとあるのだが、異口同音に聞かれるのが『安定感』であろう。どの季節においても安定的に波がある。

しかも波が大きすぎることも小さすぎることもない。波のサイズは安定して胸から頭半といったところだろうか。

加えて天候も安定しており、嵐になるような荒天はごくごく稀なことである。そしてご存知の通り年間を通して安定的に夏である。

いわゆる常夏。

全体的に安定しているのが人気の要因なのだろう。

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安定ついでに残念な安定もある。

それはゴミ問題だ。

この島ではどこもかしこも安定的にゴミが散乱している。いつでもどこでもいかなる場所においてもゴミを捨てて良いという空気が蔓延している。

ビーチはゴミ捨て場。

海は巨大なゴミ箱。

それくらいの意識しかない人たちが大半を占めている。ポイ捨てが恥ずかしいなんていうメンタリティはこの島にはほとんど存在していない。

そんなことよりゴミ問題を熱く語っていることの方がよっぽど恥ずかしいこと。残念ながらこれがバリ島を取り巻く現実だ。

巷ではパラダイスアイランドなどともてはやされているが、実の姿は決してパラダイスなどではないのである。

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いつの時代も変革を起こすのは若い世代だ。

とりわけティーンエイジャーのパワーには限界がなく、いとも簡単に世界を一変させてしまうことがある。

バリ島のゴミの惨状に心を痛めたインターナショナルスクールの子どもたちが立ち上がり、ビーチクリーンのムーブメントを起こし始めているのだ。

2017年2月19日、バリ島にて『One Island One Voice』という名のもとで、同時多発的にビーチクリーンが行われた。

これは『Bye Bye Plastic Bags』というバリ在住のティーンエイジャーたちが自発的に設立した環境団体が発案したキャンペーンだ。

この団体は中高生が中心となって活動を行っているのだが、その活動の一環として子供達の教育に力を入れている。

25ページにわたるゴミや環境に関するインドネシア語の絵本を作り、政府をも巻き込みながら環境教育の促進に力を入れているのだ。

そんな彼らの情熱が周囲の人々に伝染し、形となって表れたのが『One Island One Voice』というイベントだった。

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個人的に午前中はチャングーのブラワビーチに、そして夕方はサヌールビーチのイベントに参加させてもらった。

ブラワビーチでは400名を越す参加者が集まり、ビーチには吸い殻一つ落ちていないクリーンなビーチへと生まれ変わった。ローカルの人々もイベントに参加し、積極的にゴミ拾いをしている姿が印象的だった。

そしてこのチャングーエリアのビーチクリーンムーブメントの裏には日本人の存在があった。こちらについては次回詳しくご紹介しようと思う。

一方、夕方のサヌールビーチでは地元の人々の沐浴タイムと重なってしまい、拾っても拾っても拾いきれないほどのゴミで覆い尽くされていた。

拾っているそばから吸い殻を捨てる人の姿も目にした。

「一体お前ら何してんだ」と怪訝そうな目で見られたりもした。

地域によって意識の差があることを実感した。参加者も30名弱と少なめだったため、とても全ては拾いきれずにタイムオーバーとなってしまった。

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いくら人数を集めたところでビーチクリーンで拾われるゴミの量はたかが知れている。

捨てられるゴミの方が圧倒的に多い。事実、ブラワビーチでゴミを拾い切ったそばからオンショアに乗ってビニールバッグがビーチに漂着し始めていた。拾っても拾っても追いつかない。

これが今のバリ島の現状だ。

どうせ拾ったところでまたゴミが溢れてしまう。ではビーチクリーンなどしても意味がないのだろうか?

私はそうは思わない。

こういったイベントをすることによってそれまでゴミなど視界にも入らなかった人たちの意識を変えることができる。

積極的にイベントに参加していない人たち、遠巻きから眺めていた人たちの意識を少しずつ変えていくことができる。そんな『少しずつ』を積み重ねていくためのビーチクリーン活動だと思うのだ。

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バリ島19箇所で同時多発的に行われたビーチクリーンキャンペーン。

今回のイベントで拾われたゴミは捨てられたゴミの総量からしてみるとほんの僅かだったかもしれない。

しかし、バリ島において積み重ねていくべき『少しずつ』の基盤が少しずつでき始めているように感じられた。

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