Column

ワークショップを通じて自然の大切さを伝える

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Yuri Saito @inamura / photo U-SKE

はじめて貝を使ったものづくりは、ハワイ、ノースショアでコツコツ集めたプカシェルのペンダントとブレスレット。PUKAはハワイ語で穴の空いたという意味で、円柱形のイモ貝が波にもまれていくうちに削れて穴があくという自然のアートでもある。

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ハワイでは、昔からプカシェルをネックレスとして身につけていたという話を聞いた私は、自然を愛するハワイアンのスタイルに憧れを抱き、そして必ずまた、ハワイに戻って来たいという願いをアクセサリーというカタチにしようと、サーフィンに行くたびに波打ち際に転がっているプカシェルを見つけてはトランクスのポケットにしまい、数年かけてコツコツ集めたタカラモノで作った、思い出の詰まったアクセサリーが完成しました。

それから行く先々の海でビーチコーミングをするようになり、私のなかで海に対する想いが変わって行きます。

海を旅して岸にたどり着いた貝、ひとつとして同じものはない、私たちと同じ存在。海で出会った生き物たち。地球で共に生きている生き物との一体感が生まれるとともに、バランスを崩している環境に対して、危機感や虚しさ、何かを変えたいといいう想いが生まれました。

拾っても拾っても次から次へとビーチに打ち上げられる大量のゴミ。ビーチクリーンをして拾い集めるものは、私たちの日常生活から出た残骸であることに気づき、「他の誰か」ではなく自分たちの生活そのものが海を汚し、生き物たちを苦しめているという事実に気づいたとき、自分も自然に対して加害者のひとりであるとうい悲しい衝撃を受けました。

何かこの負の連鎖を変えられることはできないだろうかと・・・・。

そこから、ものづくりが好きな私にとって、大きな転機となったのは、東日本大震災でした。

被災した方々を、何か私にできる方法で元気づけられないかと模索している中で思いついたのが、全国から貝を集めて、ワークショップを開催するというアイディアで、タイミングよく新聞で紹介して頂けたり、サーフライダーファウンデーションジャパンの協力も得て、たくさんの貝殻が集まり、ワークショップを実施したのです。

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仮設住宅や街の共有スペース、児童館などでワークショップを実施していく先々で、貝を一生懸命に磨き上げ、夢中になっている眼差しや、遠くからきた私たちを温かく迎え入れてくださった方々の笑顔にはいつも励まされました。

「海は怖いけれど、この貝磨きだったら、海に行かなくても楽しめるわ」

なかでも、ワークショップに参加してくださった女性のこの言葉は、私の中で大きく響き渡り、先へ進む大きな力として私自身を動かして行きます。

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自然素材を使ったものづくりを通して起こった癒しの効果を目の当たりにした瞬間でした。

そして、プロサーファーとして引退試合直後に立ち寄った人気のないビーチで見つけた、驚く程たくさんの貝。

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この出会いにより、自然の神秘と美しさに益々惹かれ、素朴で可愛らしい貝たちの住む海の声をよりたくさんの人に届ける手段として、貝のハンドメイド・ワークショップを提供する Kai Oceanheart が誕生しました。

幼い頃から海へ連れられ、やがてプロサーファーとなりたくさんの海を訪れ、サーフィンをしてきた私にとっての海という自然は、何よりも居心地の良い場所であり、また、人生の教訓ともなりうることを学び、たくさんの出会いを繋いできた場所でもあり、エネルギーを充電できる癒しの場所でもあります。

でもきっと、誰にとっても同じような場所になりうるのではないでしょうか?

海があり、恩恵を受けて、私たちは生きて行けるのだと、生活の中で実感を持てれば、環境に対する考え方も変わり、変えられるところからはじめようという個々の小さな波が、やがて大きなウネリとなることは間違いありません。

素朴で可愛らしい貝と共に、ワークショップを通じて、身近な自然としての海に興味を持って頂けるよう、これからも歩を進めて行きたいと思います。

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国際環境NGO サーフライダーファウンデーションジャパン イベント統括 齋藤ユリ

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