Interview

SFJ INTERVIEW 03

ハワイを代表するレディス・ロングボーダーの一人として知られるクリスタル。その優雅なスタイリッシュなサーフィンは、数多くのサーフィン雑誌や映画でスポットライトを当てられてきた。現在はノースショアに暮らし、サーフライダー・ファウンデーションはもとより、「サスティナブル・コーストラインズ・ハワイ」、「セイブ・アワ・シーズ」、「コクア・ハワイ・ファウンデーション」、「ザ・ノースショア・コミュニティ・ランドトラスト」等の多くの非営利団体で活動をしている。個人的にも、7年前に自分の家族と友人達に安全な有機食材を提供したいという思いで、夫のデイブ・ホムシーとともに「クレイブ・グリーンズ」というオーガニックガーデンを始めた。またハワイだけでなく、世界中を旅しながら、環境保護や人道的なプロジェクトにワールドワイドに取り組んでいる。

portrait

クリスタル・ソーンバーグ・ホムシー / 写真 横山泰介
ハワイ・オアフ島出身。ハワイを代表するレディス・ロングボーダー。パタゴニアのアンバサダーも務める。家族とともにノースショアに暮らしながら、多くの環境保護団体にかかわっている。オーガニックフードの地産地消を進める「クレイブ・グリーンズ」プロジェクトを推進。また夫でありフォトグラファーのデイブとともに多くのサーフムービーを手がけている。近作はインドの女性サーファーを取り上げた『ビヨンド・ザ・サーフェース』

SURFRIDER FOUNDATION JAPAN (以下SFJ )
サーフィンを始めたきっかけをて教えて下さい。

クリスタル 物心がついたころから、両親と一緒にビーチで遊んでいました。サーフィンで育ったと言った方が正しいかもしれません。父親は私をワイキキの波の中に飛び込ませ、小学校に入ると、母親が放課後にビーチに連れて行ってサーフィンをさせてくれました。1998年の1年間はサーフィンのみならず、水球、遠泳、プールでの水泳競技に参加しました。オリンピックのフラットウォーターやカヤックやカヌー競技に関しては相当ハードな練習を重ねましたが、時間のある時はできるだけサーフィンをしました。

SFJ 普段はどんな生活をしているのですか?

クリスタル 2年前に子供を授かってからは以前とは生活スタイルが変わりました。それでもなんとかほぼ毎日サーフィンをしたりダイビングをしたりしています。朝8時までには家族全員か、また、たまには私と娘のナイアとビーチに行きます。庭から作物を収穫して地元の健康食品のお店に持っていくこともあります。ランチは家でとることがほとんどですが、お気に入りのカフェに行くことも。午後はビーチに戻るか、森の中を散歩したりします。木曜日の午後はワイメアバレーで地元のファーマーズマーケットに出店します。

SFJ ハワイの海の環境はどうですか? 何か問題はありませんか?

クリスタル オアフ島のノースショアの海岸はありがたいことにとてもきれいです。しかし近くでは困った問題が起こっています。地元の有機農法ではない作物に過剰な殺虫剤や除草剤をまいているので、大雨が降るとそれらを含んだ汚染された泥水が流されてしまうのです。これはノースショアの自然にとっては非常に有害なものになってしまいます。他にも問題はありますね。人間の過剰な往来と海面上昇による海岸の浸食です。同様に、海流にのって世界中からやってくるプラスチック製品による汚染と地元の汚染水の問題です。今は常に多くの非営利団体が、我々のコミュニティに限らず、地球規模でそのような環境問題に向き合わなければないという教育を広めようと努力を続け、より多くの人々に環境保護に興味を持ってかかわってもらえるような活動をしています。

SFJ ノースショアのローカルサーファーは、海の環境を守るための活動に非常に熱心に取り組んでいますよね?

クリスタル ローカルサーファー達が深く環境問題にかかわり、解決に向けて行動を続けていくことで、我々のサーフカルチャーを世界的に知ってもらうことに役立ちます。ですから、ノースショアのサーフコミュニティは今後さらに情報収集と学習を続けて、これまで以上に環境問題に取り組んでいくことになると思います。

SFJ 個人的には、海の環境保護のためにどのような活動をされていますか?

クリスタル 環境にやさしい製品を購入することに力を注いでいます。化学物質を含まない製品、プラスティックも含まないか、極力少なく使用されている製品です。地元の有機作物を買い、食べることはもとより、自給自足ができるように努力を重ね、同じコミュニティで生活するご近所の人々にも同じような生活を勧めています。

SFJ 「クレイブ・グリーンズ」というプロジェクトを行っていると聞きましたが?

クリスタル クレイブ・グリーンズは私達の家の裏庭のオーガニックガーデンから始まりました。最終的には地元レストラン、健康食品店に供給できるほどに大きくなりました。私達のゴールは自給自足であり、そこで余ったものはコミュニティと分かち合うことです。

SFJ 始めたきっかけは?

クリスタル 私達の口に入る食物がいったいどこから来ているのかがわからず、信頼できなかったので自分達の食べる分を作ることが必要でした。とにかく、タネの時点からどういった経緯で食卓まで届くのかをしっかり知っておきたかったのです。そしてその作物を使って料理をし、家族そして友人達とそれを楽しむことが何よりうれしかった。これこそが周りの人々と分かち合える作物を育てさせてくれた土とつながり、親しむ手段なのです。最近はレタスや青物よりも柑橘類やカカオを育てています。娘のナイアを授かってからは、「リトルスプラウト」(かわいい新芽)と呼んで子育てに時間を割くようになり、庭仕事は後回しになってしまっていました。しかし、大きくなるにつれて、彼女も庭仕事にかかわるようになり、土いじりを喜ぶようになってきました。ですから今は、彼女とともに地球への愛を分かち合えることに大きな喜びを感じています。実際、娘は作物を収穫して地元の健康食品店に供給する仕事を手伝ってくれるんですよ。

SFJ 今後海の環境保護のために何をしたいと思いますか?

クリスタル 私はもう一度、海洋の現実と保護のための映像を作りたいと思っています。今とそして近い将来のために、引き続き環境の保護と保全に関する啓蒙活動を続けていきたいと強く思っています。プラスティックを使用しないコミュニティの必要性はとても重要であるにもかかわらず、今現在も発砲スチロールやビニールバッグが作り続けられています。もっと自然環境にやさしいプラスティック製品に代わる何か別の物を勧めていきたい。今考えられる最良の方法はできるだけ地産地消の有機作物を摂ることだと思います。地元で頑張っている有機作物を作る農家を応援し、地球にやさしい環境を保つことを重視している企業をも応援することが今私達に求められていることだと思います。

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クリスタルにとって海は物心ついた時から慣れ親しんだ“ホーム”だ

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2年前に生まれた娘のナイアも海が大好き。次の世代に美しい海を引き継がせたい

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夫のデイブとともに『ビヨンド・ザ・サーフェース』の上映会でインタビューに答える。近い将来、海の環境に関する映画を作りたいと語る

Photos:Eiji Kazari

取材・構成 : 佐野 崇

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