New!!「日本の風土がもたらすウェルビーイング」を語る時間

6月27日から29日までの3日間、幕張メッセで「東京アウトドアショー2025」が開催されました。

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今年のテーマは「新しいアウトドア体験」。
会場ではキャンプだけでなく、登山、釣り、トレッキング、ボルダリング、サイクリングなど、さまざまなアクティビティとカルチャーが紹介され、多様なアウトドアファンの熱気で賑わっており、 自然とともにある暮らしや、環境とのつながりに関心を持つ方が年々増えていることを感じる場となりました。

そんな中、私は昨年に続き、再び登壇の機会をいただきました。
登壇テーマは「日本の風土がもたらすウェルビーイング」。

ウェルビーイングという言葉は、近年多くの人がよく耳にするようになりました。
意味は、肉体的・精神的・社会的すべてにおいて満たされている状態を指します。
今回のトークセッションでは、アースデイ東京事務局長の河野竜二さんを司会に、katadoriプロジェクトでタレントの安田美沙子さん、堤浅吉漆店の代表・堤卓也さんと共に、それぞれの視点から「自分にとってのウェルビーイング」について語り合いました。

“私にとってのウェルビーイング”が詰まった一枚の写真

登壇にあたり、私たちはそれぞれ「ウェルビーイングを感じたアウトドア体験」をテーマに、一枚の写真を持ち寄りました。

まずは安田美沙子さん。
安田さんは「katadoriプロジェクト」のメンバーとしても活動されています。
「katadoriプロジェクト」は”日本の良いもの発見隊!”として日本各地の素晴らしい伝統や文化、良いモノを発見・応援し、その魅力を後世へつなぐ活動をされています。
そんな様々な分野で活躍されている安田さんが選んだ一枚は、フルマラソン完走後の笑顔の写真。
日々の暮らしにランニングを取り入れ、当日もプロギング(ゴミを拾いながら走る)を行ってから登壇されたという、アクティブな姿が印象的でした。まさに「ウェルビーイングを体現している人」。
写真からも、体と心が整っているからこそ感じられる、リアルなウェルビーイングの瞬間が伝わってきました。

そして、漆職人でありサーファーでもある堤卓也さん。

私自身も昨年、堤淺吉漆店を訪れ、漆の文化の奥深さとその魅力に引き込まれました。
そんな堤さんの一枚の写真は、自然の中で漆のサーフボードを持つ姿。
一般的に化学素材で作られるサーフボードに、漆という自然素材を使うという試みに挑戦している堤さんは、日本の伝統とサーフカルチャーを融合させながら、新たなアプローチで漆の魅力を発信しています。写真からは、自然と調和しながら伝統を未来へつなげようとする、静かで力強い思いが伝わってきました。

そして私が選んだのは、「カーニバル湘南」の一枚です。
育った湘南・鵠沼海岸の海沿いの公園で、来場者がトークを楽しみ、体を動かし、食事や空間そのものを楽しむ様子に胸がじんわりと満たされていくのを感じました。
カーニバル湘南ではマイ食器やマイボトルを持参し「ゴミも出さない」という持続可能なイベントで、 その光景には「その場を楽しむ心」と「環境に配慮する意識」が共存する空間に、私は“ウェルビーイング”の本質が表れていたように思い、 写真を選ぶとき、「カーニバル湘南」の一枚を迷わず選びました。

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一人では感じられない「満たされる瞬間」がある

私たちの生活は日々、環境に支えられています。
波の変化、海の匂い、風の音…。
プロサーファーとして活動してきた中で、私は自然から多くを学び、感じてきました。

その経験から思うのは「ウェルビーイング」は一人だけでは成り立たないということ。
自然とともに、誰かと空間や価値観を共有することだと感じます。
その積み重ねが、自分を満たすことにつながるのだと、改めて気づかされました。

今年で4回目。「カーニバル湘南」もまたウェルビーイングの場に

こうした思いを育んでくれた今回の「東京アウトドアショー」は、自然や社会とどう向き合うかを見直す貴重な場でもあり、登壇を通して、たくさんの気づきをもらいました。

そして、「カーニバル湘南」も今年の11月3日文化の日で4回目の開催を迎えます。
マイ食器やマイボトルを持参するだけで、誰でもウェルビーイングな瞬間に触れられる、そんなイベントです。

心地よい風、開放的な空の下で、誰かと笑い合う時間を。
そんな小さな一歩が、きっと自分自身の心の豊かさを育て、よりよい未来につながっていくと信じています。

カーニバル湘南

Katadori -かたどり-

堤淺吉漆店

アースデイ東京

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