環境基準達成率100%を目標に、藤沢市が水質改善計画を発表

辻堂海岸から汐見台海岸(俗称クソ下)までのエリアをホームポイントにしているサーファー達にとって、大雨の後の海の濁りと臭気は、長年の問題でした。この度、海を愛する政治家フォーラム発起人の一人、佐賀和樹藤沢市議会議員から市の下水道改善事業について以下の報告がありました。

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海を守る 〜水質改善に向けて〜

私たちの生活から出る排水は下水処理施設を通って海に流れ着きます。辻堂、鵠沼、片瀬、藤沢、明治、湘南大庭地区の家庭から出る排水を処理している辻堂浄化センター。この施設は道路の側溝などから流れてくる雨水を同時に処理する仕組みの合流式下水道が採用されています。

近年の人口増による都市化に伴う流出形態の変化、施設の流下能力の不足により雨天時などには多くの雨水が処理場に流れ込みます。そして生活排水と一緒になり、適正処理が処理できなかった多くの汚濁水がオーバーフローし直接、海に直接流出してしまっていました。以前からサーファーを始め多くの海岸利用者から指摘を受けていましたが、湘南に拠点を移し新体制となったサーフライダーファンデーションジャパン(以下SFJ)からの要請を受け、平成27年9月に藤沢市議会の一般質問で『今後の下水道施設の整備のあり方について』としてSFJが行った水質調査活動のデータを提示して、議会の場でその改善を求めてきました。

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藤沢市では平成23年にこれからの藤沢市の下水道施策のあり方を示した『湘南ふじさわ下水道ビジョン』実行計画である“第1期アクションプログラム”を策定、そしてこの様な現状を改善するために対策を検討。これまでも雨水の浸水対策と連携した貯留管の整備を進めてきましたが昨年、策定された“第2期アクションプログラム”で、長年の懸案であった合流式下水道の改善計画が示され、公共用水域の環境基準達成率100%目指し、辻堂浄化センターの放流水の汚濁負荷削減の対策事業を平成30年度着手、平成35年度の計画完了を目標に進めることになりました。
 
事業内容としては約70億円をかけ施設内の汚濁水処理能力を更に高めるため雨水滞水池の整備、処理水が海岸へ流れる放流管の整備などの対策事業を実施します。またもう一つの市内の下水処理施設である大清水浄化センターについても、流入水量増加による施設増設や高度化の実施時期を検討していく必要があります。

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本来、海や川などの公共水域の水質改善は行政の責務ではありますが、項目2-1“海・川のさらなる水質改善”が図2(棒グラフ)から分かるように今年度からに対する支出のウエイトが年々多くなり、図3(円グラフ)の通り、第2期アクションプログラムの改良費総額約285億円の4分の1を占めています。これは行政の環境に対する意識が大きく変わってきていることの表れです。

藤沢市は日本サーフィン発祥地であり、湘南の中心として年間を通じ市内外からサーフィンを始めマリンスポーツを楽しむ人々が訪れています。2020東京オリンピックのセーリング競技開催地、そしてサーフィンも正式種目となり海外からも益々注目される海岸になっていくと思います。SFJの運営諮問委員、そして海を愛する政治家の一人として今後も海の安心安全の実現のために取り組んで参ります。

『企業の環境対策、行政の取り組み、そして私たち市民ひとりひとりの環境意識が美しい海岸環境を守ることに繋がる 〜そろそろ本気で考えよう 海を守るために〜』

[合流式下水道改善事業資料]
合流式改善事業図_01-2 2
合流式改善事業概要_01-2 2

[タウンニュース藤沢版]
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SFJがサーフポイントの水質調査活動を開始しておよそ3年、地域のサーファー達のボランティア活動が議会でしっかりと取り上げられ、行政を動かしました。一人一人の意識と行動、地域社会との連携が私たちサーファーにとって暮らしやすい街づくりに繋がります。

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子供達の未来のために、大人達ができること。

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海岸ゴミの問題や砂山がサイクリングロードをふさいでしまう件、通年ライフガードの必要性など、課題は尽きませんが、SFJは政治と行政を動かし、環境活動を継続して参ります。

対立ではなく対話を!SFJ 代表中川 淳

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「水質調査活動」と「海を愛する政治家フォーラム」は、独立行政法人環境再生保全機構地球環境基金の助成を受けて実施しています。