相模湾沿岸海岸浸食対策計画

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現在、湘洋中学校前から松波地下道前の海岸やサイクリングロードに堆積している砂が搬出されています。

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その砂の行き先など作業状況について問い合わせがありましたので、現地を確認し神奈川県藤沢土木事務所なぎさ港湾部なぎさ港湾課に直接伺って参りました。
海岸管理者である神奈川県は相模湾沿岸海岸浸食対策計画を策定し、海岸に於ける砂浜の回復、保全に取り組んでいます。

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藤沢市域と茅ヶ崎市域の海岸は相模川より砂が供給、東側への潮の流れ、また冬の西風の飛砂によって砂浜を形成しています。

これまでは波打ち際に戻していましたが、湘洋中前などに堆積している砂は主に茅ヶ崎市域の海岸から飛砂によって堆積した砂であることから、今回初めて浸食が進む菱沼海岸など茅ヶ崎市域の海岸に搬入され養浜に使用することになりました。この工法をサンドリサイクルといい、潮や風の流れによって下手側(東側)の海岸に堆積した土砂を侵食を受けている上手側(西側)の海岸に戻し養浜する作業になります。

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また昨年末より引地川河口部で掘削用建設機械を使用した浚渫作業を行いました。
浚渫とは川底の土砂やヘドロを取り除くことを浚渫といいます。
浚渫は主に洪水や高潮などによる災害を防止するために行われ、川底を浚渫(掘削)して流下能力を高め、増水した時の川の水位を低下させます。
数年に一回行われる作業で前回の平成30年以来4年ぶりとなり、浚渫された土砂は片瀬西浜海岸の養浜に使用されました。ここ数年は雨量が少なく、また打ち上げる波で砂が流れず河口部に堆積し流下能力が低下、今回は鵠沼橋から日の出橋の堆積土砂の数十年ぶりに浚渫作業を行っています。
この土砂は西部駐車場に山積みされていたもので、長年に渡って川底に堆積されたことからコンクリートガラやガラス破片、ヘドロなどを含んでいて養浜や建設資材として適さず廃棄残土として内陸部に搬出され処分されました。
ダムによる海岸部への土砂の供給量の減少、また漁港や堤防などの構造物の営業により海岸浸食が進みました。そして近年の世界的な温暖化などの気候変動による海面水位の上昇により海岸侵食は更に進むと言われています。

『2100年には9割の砂浜がなくなる』
海岸浸食だけでなく海洋プラスチックごみ問題などの諸課題。
日々遊ばせてもらっている私たちのフィールドである海岸の変化を見ながら、いつまでも波乗りができる環境のために何ができるか?
行政任せ、他人事ではなく自分にできることから始めなければなりません。

相模湾沿岸海岸浸食対策計画
https://www.pref.kanagawa.jp/documents/69213/02-1.pdf