COVID-19 カリフォルニアの状況

刻一刻と変化する、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)3月20日から4月13日までのカリフォルニアの状況レポートです。

日本のサーファーの皆様、日々の生活とサーフィンとの向き合い方の参考にしてください。

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3月20日 皮肉にも到着直後にカリフォルニア州全体にロックダウン宣言が発令される。しかしながら入国、通関全て今までより人も少なく、レンタカーを借りて目的地エンシニータスまでスムーズに到着する。

高速道路などは夕方ラッシュ時にも関わらず空いており、道中のサインは”STAY HOME” “SAVE LIVES COVID19″など、いつものハイウェイを運転しているだけであったがどこか非日常である空気が伝わる。

3月21日 翌日エンシニータス、カーディフに海の状況を見に行くが、海岸線は思いの他日常が繰り広げられていた、ジョギングする人々、自転車に乗る人々、そしていつもと変わらないサーファーの数。州も市も自主待機を進めているが、個人での運動や体を動かす事は推奨しているので、皆外に出ているのであろう。

しかしながらお店は殆ど閉店しており一部スーパー、コンビニ、ガソリンスタンドのみが開店している。いわゆる生活に必須なビジネスは継続しているそうだ。

3月22日 行政区分としてはにエンシニータス市の隣となるサンディエゴ市は管理する全てのビーチへのアクセスと駐車場などを閉鎖した。また海岸沿いでの滞在も禁止となる。もちろんサーフィンも禁止となる。

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行政、警察が海岸を閉鎖する主な理由としては週末に外出する人々が多く、市が状況を危険と判断した為だ、当初サンディエゴ市も市民の自主性に任せるつもりであったが、テレワークの推奨などオフィスなど通勤する必要が無くなった人も多く、その結果サーファーやビーチに来る人々が増えたのであろう。

しかしながら隣接する街エンシニータス、続くカールスバッド、オーシャンサイドのビーチはまだクローズしておらず、いつもの賑わいでは無いが、海にはまあまあの人が繰り出している。サーファーもオーシャンサイド方面は南ウネリも入っている事もあり正直、驚くほどに混雑していた。ライブカメラで見るトラッセルズ南うねりも入り大混雑している。 

4月2日、カリフォルニア州ロックダウンとほぼ同時期に、どこよりも早く閉鎖されていたマリブに一人のスタンドアップサーファーが現れる。数本の波に乗るやいなや、海上より警察の船が高速で現れ、陸に上あげられ逮捕となった、この様子はマリブローカルのMarshall Brothersがソーシャルメディアに上げて世界中に一気に拡散されているので見た人々も多いであろう。

サーフィンをしての逮捕そして通常であれば今年最初の南うねりに多くの人々が集まったはずのマリブに誰もいない、その異様な光景がまるでトワイライトゾーンの映像でも見ている様でこれが現実なのかと思う。しかしながらこの光景は間違いなく現実である。 

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4月6日、1971年にアメリカ軍が一般に開放したキャンプペンデルトン内にある南カリフォルニア代表するサーフブレイクであるトラッセルズ。一般開放から約50年、歴史上初めて、トラッセルズへのアクセスが遂に公式に閉鎖された。どんな時にも誰かはいたはずのビーチに誰もいない、近くにあるパーキングも閉鎖され、得体の知れない何か言葉では説明できない緊張感が近隣のサーファーコミュニティにも広がっていた。サーフィンをする自由?未曾有のウィルスに人類で立ち向かう?全ての人々の共有して納得できる意見が明確に無いままに、時間だけが普段よりもゆっくりと過ぎていく。 

4月13日、現在南カリフォルニア殆どのビーチ沿いパーキングはクローズしており、殆どの場所ではビーチへのアクセスも禁止されている。規則に違反した場合は最大1000ドルの罰金となる。それでも一部ニューポートビーチなどは人口が多いにも関わらず、まだサーフィンは許可されているようだ。 

南カリフォルニアの街自体も閑散としており、サーフショップなどは全てクローズしておりスクールもない。日曜日でも人影がまばらで、街全体として収束に向けて取り組んでいる様ににも感じるが、行政などが権限を持って誘導している部分も大きく影響していることあるだろう。ウィルスの恐怖もしかり、誰しもが警察官などと余計なトラブルは起こしたく無いはずだから。

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ソーシャルメディア内では様々な意見が交わされている、サーフィンをする自由や権利を語るサーファー、ウィルスの拡散を抑えるためにStay Homeに徹するサーファー、大多数の意見はサーフィンの自粛だか、ローカル内であれば良いとの意見もある。今日この時点に於いても極一部の海が開放され多くの海が閉鎖されている状態で全ての人の意識を同調するのはどの国も難しいようだ。この状況下でサーファーが抱える課題の一つであろう。人命や経済的損失に比べればとても小さな問題ではあるが、凡ゆる人々のミクロな行動と心がけがより大きな事に繋がるので、南カリフォルニアでも大多数はサーフィンは控えようの意見、またはアクセスが制限されているので仕方ので諦めるといった人も多い。

Surflineなど波情報はSurfrider Foundationと連動して、ウェブカメラの波は確認は可能だが、サーフィンをする行為自体は助長しない様にしているようだ。

SHSL-IG-CREDIT-@morganmaassen

#Stay Homeや家での過ごし方、旧アーカイブをフリーで共有するなど、絶対的なサーフィンをしない代案解決策では無いかもしれないが、皆が協力している様に感じる。

大きな意見としての流れの共有は、この様々な考えがあるアメリカの中で有史上初めてに近いレベルで共有されているのでは無かろうか? 911同時多発テロの時の同じの様な空気感ではあったが、今回は世界中誰も体験した事のない事象の中、そしてまだはっきりとした先が見えない中で、精神的な部分での答えを皆手探りで見つけ出そうとしてしているのは、日本もここアメリカ も同じでは無かろうか?

今日この時点に於いては、誰にも明確な収束時期や、何をするのが正解なのか?何が正義なのか?誰がそして何が正しく何が悪いのか?勿論明確な答えなど無くて当然だが、もし一つだけはっきりした事があるとすれば、この問題は世界中全ての人々が当事者であり、一当事者として何をするのが効果的だけを考えると少し先が見えてくる気がする。それはもうサーファーであるかどうかの前に人類としてどう行動を取るかの広い視野で見るのが一番答えに近いかもしれない。

SFJ ディレクター 横井 洋平

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