撮影が行われた御用邸のある神奈川県の葉山町一色海岸は、2013年に「世界の厳選ビーチ100」選出された世界に誇る美しい海岸。湘南に拠点を移して10年目を迎えるSFJ。50回目のインタビューを記念して、今までの振り返りとこれからの組織運営について理事会の3人が互いに語り合った。

SFJ理事会の3人 / 写真 横山泰介
振り返ると、あっという間の10年間でした。
10年前の2015年、国連総会でSDGsが採択された年に、中川が代表に就任。
NGO(Non-Governmental Organization)とは、個人では成し遂げられない課題解決を担う組織です。その活動は様々ですが、日本の海岸環境が抱える問題点を整理してSFJを機能させるために組織を刷新することにしました。
結果、様々な波風が巻き起こったのですが・・・
「政治とサーファーは、相容れない」
反権力、反体制(カウンターカルチャー)文化に傾倒した一部のサーファー達の偏見が強く残る中、サーファーである以前に「ひとりの市民としての政治参加」を考える組織運営に舵を切ることにしたのです。

近藤:誰もが自然を肌で感じ、自然に対する自覚が生まれるような場にしようとBLUE MOONを運営、神奈川県なぎさ議連副会長に就任
そして、理事会にサーファーとして海の課題解決に取り組んできた近藤と佐賀、二人の政治家が新たに加わることになり、徐々に理解の輪が広がっていきました。サーフポイントにおける水質改善や、砂浜の減少による海岸線の後退といった深刻な課題に取り組むためには、政治と真摯に向き合い、行政へと声を届ける仕組みが必要です。その仕組みがわかりやすい形で伝わり、共感を得たのでしょう。
また、近年ではサーフィンが魅力的なコンテンツとして、海辺のまちづくりや地域経済への影響力を持つようになりました。

佐賀:汚水が流れ込む辻堂西エリアの課題だった、藤沢市の水質改善事業を推進した立役者
SDGsや東京オリンピック開催などのきっかけもあり、この10年間で時代を担うサーファー達が積極的に社会課題にコミットメントする姿が当たり前のようになってきました。

中川:景観利益を守る。自然に寄り添ったまちづくりが生活を豊かにする。
不平不満を言う前に、反対の声を上げる前に、
”サーファーだから”できること。
「自由と責任」
さらなる10年に向けて、未来を生きる若者たちと共に活動の輪を広げて行きます。

代表理事 中川 淳 1965年生まれ
1994年に辻堂でティーズ・ハウジングを創業。サーファーズハウスの提案と日本各地の海辺のまちづくりに関わり、自然環境に寄り添った海辺のライフスタイルを提唱し続けている。

理事 近藤大輔 1969年生まれ
逗子市・葉山町より選出された、たった一人の神奈川県議会議員。1997年に葉山町一色海岸にて廃材品を利用した完全リサイクル型の海の家「BLUE MOON」を発足。神奈川県なぎさ議連副会長

理事 佐賀和樹 1972年生まれ
日本のサーフィンの草分けを父に持ち、鵠沼で育つ。1995年に地元サーフポイントの開発計画に反対運動を展開。社会の仕組みや政治の大切さを実感し、政治家になることを志す。
~~~ 10年間の主な活動実績 ~~~
・環境基準達成率100%を目標に、藤沢市が水質改善計画を発表
https://www.surfrider.jp/column/3106/
・「相模湾沿岸海岸侵食対策計画策定」実現までの道のり
https://www.surfrider.jp/politics-forum/3077/
・かながわプラごみゼロ宣言、発動!
https://www.surfrider.jp/information/4683/
・Pre G7 “Ocean Pavilion” 開催
https://www.surfrider.jp/information/5237/
・海を愛する政治家フォーラム
https://www.surfrider.jp/category/politics-forum/